祖父母や親にとって、子供や孫の成長は大きな生きがいです。厚生労働省が行った2008 年のアンケートによると、60歳以上の人の半数近くが老後の生きがいとして「子供や孫の成長」を挙げています。
孫の成長は早く、特に中学生くらいまでは体もどんどん大きくなり、会うたびに違う印象を受けることでしょう。見た目や印象がすぐに変わるので、少し前の思い出も忘れられやすいものです。
そのため、成長過程を記録できる写真が大切になってきます。写真を残しておけば、成長したあとの孫と「あの頃は○○だったけど、今はもうこんなに成長したんだね」と話すこともできますし、孫と会えないときに見返して昔を懐かしむこともできます。
毎日のように会えるわけではない分、手元に写真がなければ思い出がどんどん風化していってしまいます。
今回は祖父母や親が子供や孫の写真をどう扱っているかの実態を調べてみました。
祖父母や親に子供や孫の写真を持ち歩いているかどうか聞いたところ、7割近くの人が「持ち歩いている」と答えました。子供や孫を常に身近に感じ、いつでも見返したいと思っていることがわかります。
しかし、持ち歩いている人が多いにもかかわらず、祖父母や親が子供や孫の写真を手に入れる機会はあまりないようです。
祖父母や親が子供や孫の写真を手に入れるには、自分で撮るか写真をもらうかしかありません。自分で子供や孫を撮るためには、直接会う必要があります。しかし、総務省の国勢調査によると、3世代同居をしている人はわずか1割強にとどまっています。また、子供や孫が祖父母や親に会う頻度も多くありません。
このように、約6 割の人が年に1度しか祖父母や親と会っていません。祖父母や親は子供や孫とあまり会えないため、写真を撮る機会も少なくなってしまっています。
また、頻繁に祖父母へ写真を送っている人もあまりいないことがわかりました。
6割の人が1年に1度しか写真を送っていません。また、3人に1人は写真を送ることすらないということが調査の結果からわかりました。写真を送ってもらえないため、祖父母や親が子供や孫の写真を手に入れる機会はあまりありません。
撮る機会も、送ってもらうことも少ないので、祖父母や親にとって子供や孫の思い出を手元に残すことは難しいという現状がわかり ます。
Vol. 25
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Vol. 24
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Vol. 10
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vol.9
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vol.1
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