思い出は写真を撮ることや人に話すことで定着しやすくなりますが、どういう残し方だと思い起こされやすいのか、を考えてみます。
デジタルカメラやカメラつき携帯電話など思い出を残せる道具自体は飛躍的に便利になっています。さらに、ツイッターやブログなどのインターネットサービスに動画や写真を簡単に投稿できるようになり、たくさんの人に自分のできごとを一気に伝えられる時代となっています。
私たちは記録する道具も、また、それを伝える方法も多様な時代に生きています。
かえって、それらをどう選んで使えばいいかがわからないという方も多くいるのではないでしょうか。
上の図は私たち 思い出づくり研究所が2010年4月に実施した調査結果
です。
思い出に残すために、写真の方が映像より有効と考える人が多いのです。
一見、映像の方が動き、音、話し声など多くの情報を記録しているので、思い出には有効とも考えられますが、いったいなぜ映像ではあまり思い出が思い起こされないのでしょうか。
それは、写真の持つ携帯性と物語の共有性の高さが関係しています。
写真を他人に見せたときに、そこで起こったことを話さなければ、その写真が何を意味するのか伝わりません。笑顔の写真は、他人にとってはただの笑顔の写真です。
つまり、その写真に写った思い出を伝えるためには自分の中で一度「物語を構築する」必要があるのです。
さらに、写真は携帯しやすく、すぐ人に見せやすい特性があります。ファーストフード店などで携帯に保存してある写真を見せ合って話している人は多くいますが、動画を見せ合って話している人はあまりいません。このように写真の方が、物語を話す機会も思い起こす機会も多く、思い出が定着しやすいといえます。
ここで注意しなければいけないのが、ただ写真を撮っていれば思い出として定着するわけではないことです。先ほどのファーストフード店の例でもそうですが、写真を見返すことや、それを使って話すことが重要なのです。
そこにはやはり「物語性」があるかどうかが大きくかかわってきます。
また、実際に写真をいつ撮るのか、どう保存するのか、整理するのか、によっても思い出が定着する度合いが変わってきます。
Vol. 25
撮りっぱなしで思い出写真をなくす前にできること
Vol. 24
人間関係を築くきっかけや、自分を見つめ直す機会となる
Vol. 23
年賀状の写真を決めるタイミングで、今年の写真を整理
Vol. 22
デジタル時代に変わり、撮影者の視線が多様化
Vol. 21
思い出を呼び起こす写真は、匂いや音が感じられるもの
Vol. 20
過去・現在・未来。思い出はそれぞれの時間をつなげる
Vol. 19
思い出を振り返るだけでなく、新しい思い出も加わる
Vol. 18
作り込んだ写真年賀状の効果を分析する実験
Vol. 17
フォトブックを作成して、自分の価値観を分析する実験
Vol. 16
昔の「気になる」写真で自分磨きのきっかけに
Vol. 15
「好き」「きらい」をテーマに撮って、これからの自分の課題を発見
Vol. 14
「撮っても選ばない」で、違いが出る個性
Vol. 13
思い出写真は、自分のことを相手に伝える近道
Vol. 12
いよいよ思い出を人生に活かす実験がスタート
Vol. 11
思い出は写真に。
写真を整理すれば未来が見えてくる
号外
震災のがれきから思い出を救う
Vol. 10
7 割の祖父母や親が
孫や子供の写真を持ち歩いている
vol.9
3人の2人が
ペットの写真を持っていない
vol.8
7割の人が家族旅行をしていない
vol.7
3人に2人が
家族写真を撮らなくなっている
vol.6
家族を安心させる遺影の作り方
vol.5
7割の人が人物写真の撮り忘れで
後悔 旅行中の写真撮影
vol.4
写真整理は3ヶ月に1回が6割
vol.3
デジタル画像保存の落とし穴
vol.2
カメラを片手に思い出を残そう
vol.1
思い出をつくる、のこす