湯河原ばなな「おしゃべりな子ども写真」

出かけよう!子どもとカメラと。

先日、写真の整理をしていた時のことです。
二年前に沖縄に行ったときの写真をみつけました。
場所は、古くからの集落が残る竹富島です。

青い空と眩しい太陽。ごつごつした珊瑚垣の前に、 まだ小さい息子が立っています。
よく見ると、手には白い貝が。

この頃息子はまだ1歳代でした。
歩きが達者で外が大好きな反面、まだまだ赤ちゃん らしさが残り、ほとんどおしゃべりもしていません でした。

この写真をじーっと見ていると、記憶の扉が開いて ひとつのことを思い出しました。

「あった」。

そうそう、この子の最初の言葉はママでもパパでも なく「あった」だったんだ。
テクテク道を歩いていて何かいいものを見つけると 嬉々として「あった!」と教えてくれた息子。
そしてまたしばらく歩くと「あった!」。
毎日が驚きと発見の連続だったのでしょう。

きっとこの写真を撮った時も、後ろを歩いていた父 に「あった!」と貝をみせていたのでしょう。

幼い口から出てきた言葉は、たったの一言。
でも写真に写った息子の顔を見ると、もっと多くの ことを語りかけているような気がしてきました。
「ねえパパ、みて。何かひろったよ。これなあに?
ピカピカ光ってきれいだね・・・」

年少になった息子は、ずいぶんとおしゃべりになり 時に大人びたことも言うようになりました。
私はそれを当たり前に感じていましたが、そうでは なかったのですね。
子どもは毎日変化していて、今の言葉を聞くことが できるのは今この瞬間だけ・・。

息子の写真を撮リ続けたい。
彼が私にくれた宝物のような言葉の数々が、消えて しまわないように。
改めてそんなことを思った母なのでした。

湯河原ばなな

PCC女子部のメンバー。息子に影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイディアはピカいち。

●湯河原ばななのブログ
ことりっ鉄 http://morijuice.exblog.jp/

湯河原ばなな「おしゃべりな子ども写真」

湯河原ばなな「おしゃべりな子ども写真」

出かけよう!子どもとカメラと。

休日の朝。カーテンをあけたらいい天気。
そうだ、遠足にいこう!行き先は海がいいな。一番近いお台場にしよう。そう思い立ちました。
甘えん坊の息子も春から一つ学年が上がったので、今回の遠足はちょっと頑張ってみることにしました。
はじめて自分の荷物をリュックで背負い、はじめて新交通ゆりかもめに乗り、はじめて全行程を自力で歩き・・とはじめて尽くしの遠足です。

「ママー」「なに?」「楽しいねえ」
はじめて尽くしの遠足は、興奮の連続!
息子のまなざしからワクワクが伝わってきます。

途中、喉が渇いたのでしょう。息子は自動販売機にスポーツドリンクをみつけ「飲みたいな〜」と上目遣い。
でも、海までは歩いてあと5分・・。
「せっかくだから、海に着いたら海で飲もう。そのほうがきっとおいしいよ!」
「エ〜〜〜」

すこし熱いくらいの日差しの中、時々しゃがみこむ息子。もう歩けない、足が動かない、おなかが痛い・・ありとあらゆる手で抱っこをアピールします。
母も負けまけずにあらゆる手で励まします。それも万策尽きた頃・・・

「うみだ!」
松林の向こうに光る海が見えたとたん、走り出す息子。
あれ、足動かないんじゃなかったっけ?
砂に足を取られながら、海までまっしぐらです。
浜辺には白いユリカモメが飛び交っています。

さて、と砂浜に腰掛け、おもむろにジュースを出す母。
青い缶を一目見るなり、ひったくるようにして、がばっと口に持って行く息子。
グビグビグビ・・・ぷはーー!

なんて美味しそうな飲みっぷり!と面白くなった母は笑いながらシャッターを切ったのでした。

この写真は母からすると、たった一枚でスタートからゴールまで思い出せるという、お得な一枚です(笑)。
思い出に残る一枚はもしかしたら、息子から遠足につれてきた母へのご褒美なのかもしれません。

おしまい

湯河原ばなな

PCC女子部のメンバー。息子に影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイディアはピカいち。

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湯河原ばなな「おしゃべりな子ども写真」

湯河原ばなな「おしゃべりな子ども写真」

寒い冬こそ、おうち写真

私が写真を撮るようになったきっかけは、息子の誕生です。
わが子がもう、かわいくてかわいくて撮るようになった・・・というよりは、一連のおもしろおかしい子育ての瞬間を鮮明に思い出せるようにしたくて、カメラを手にするようになったのです。

ある朝、私は洗濯物を干していました。
すると、水色のパラソルハンガーを息子が手に取り、いじくりはじめました。

おっ!これは面白いことになりそう。
私は洗濯ものを放り出し、こっそりとカメラを手に観察。
すると、彼は何やら「挑戦」を始めたではありませんか。

雨傘の骨組みのようなこのハンガー。
骨を一本一本垂直に立てていき、ちょうど傘をすぼめた時のように一つにまとめるという「挑戦」。
たった今、息子がひとりで編み出した風変わりな遊びに、母はおかしいやら感心するやら。

これが意外と難しく、まだ手が小さいので、骨を一本立てると他がバラバラと落ちたり。
息子は父親ゆずりの太眉にしわを寄せて、一心に頑張っています。

いい調子・・そーっと・・やった!!
ついにハンガーを一つにまとめました。
わあ、すごいね、と声をかけると達成感に満ちた笑顔が返ってきました。
たかがハンガーでも、子どもは全力投球。
その純粋さに母はちょっぴり、感動しました。

この写真は、特別おしゃれでも上手でもありません。
でも、この写真がなければ、この子がハンガーで遊んでいたことや、その時の私の気持ちなんて、すぐに忘れてしまったでしょう。
だから私は、何の変哲もないこの写真が大切に思えるのです。

面白い出来事って、意外と家の中で起きているのではないでしょうか。
寒い冬こそ、おうち写真。
カメラをいつも、あなたのお側に。

湯河原ばなな

PCC女子部のメンバー。息子に影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイディアはピカいち。

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