片道四分の電車の旅
旅はあっという間に終わりました。
片道たったの四分。
旅というには短すぎる時間かもしれません。
でも窓辺のサイダーの写真をみると
「あの夏、伊豆で鉄道の旅をしたなあ」と、確かに思えるのでした。
写真が四分の旅を、
永遠の思い出にかえてくれたのかもしれません。
湯河原ばなな
PCC女子部のメンバー。こどもに影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイデアはピカいち。
東京から一番近い、ローカル線の旅
湯河原ばなな
PCC女子部のメンバー。こどもに影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイデアはピカいち。
ゆらぎのある旅
ある日曜日の午後。
私は半ば目を閉じて見知らぬ電車に揺られていました。
なんとなく平日の緊張感や疲れを降ろせないまま、くすんだ赤い座席に座り込み、
もう明日は月曜日かあ、早いなあ。
4時か5時にはここを出ないとなあ。
そんなことをぼんやりと思っていました。
その時。
ちらり、緑色のものが目に飛び込んで来ました。
えっ?
はっとして思わず立ち上がり、カメラのボタンに人差し指をかけました。
先頭車両の窓の中には、緑のじゅうたんと二本の線路。ただそれだけ。
なのに、夢中でシャッターをきっていました。
電車が揺れるたび、きゃしゃな銀色のレールもゆらゆらと控えめな光を放ちます。
これって、きれいだ。
ゆらぎ、という言葉がどこからともなく頭の中に浮かびました。
レールのでこぼこがもたらす電車の揺れ。
樹々のざわめき。
窓から差しては消える午後の光。
どこまでも続いていくかのような線路に、いつの間にか私の心も、ウーンと大きく伸びをしたように軽くなっていました。
毎朝毎晩規則正しく通勤電車に詰め込まれて働くだけの毎日。このままでいいのかな、と 思うことが誰しもあるでしょう。
でも電車の旅にはゆらぎがある。
ゆらいでもいいんだよ、と言ってくれる。
だから毎日乗っているのにも関わらず、
休みの日にも電車で旅に出たくなってしまうのだなあ。
週末はゆらぎを探しにいきませんか?あたたかくして、カメラと切符を手に。
湯河原ばなな
PCC女子部のメンバー。息子に影響されて好きになった鉄道と、家族の日常を撮るカメラママ。物語を感じさせる写真で、人の心を和ませます。フォトグッズやフォトブックのアイディアはピカいち。
●湯河原ばななのブログ
ことりっ鉄 http://morijuice.exblog.jp/