見たい景色がある
出会いたい人がいる
感じたい気持ちがある
17歳で初めて海外に行き、「自分が普段目にしているものが全てではない」と知った世界。
それから世界に旅立つようになり、もう10年経ちます。
私の目に映るすべてが私の旅を作ってくれている。
そう、同じ国を旅しても、撮る写真はそれぞれ。人の数だけ旅が存在します。だからこそ、その人にしか撮れない写真がたくさんあると思います。
旅の醍醐味は、なんといっても自分の感動や驚きではないでしょうか。
自分がシャッターを切った瞬間の、その感動や驚きを周りの人に伝えられたら、楽しいですよね?
私の旅写真の極意は「自分の視線を写す」です。
自分が今、ここで見ている。
その視線がオリジナリティーを強くしてくれます。
この写真は、2012年4月から現地約20日間に渡って一人旅したモロッコで撮影した写真です。
カサブランカ空港に到着し、市内に向かう列車が到着した瞬間を撮った一枚です。
列車を撮りたかったのではありません。人を撮りたかったわけでもありません。この空気、ドアに群がる人々の熱気と、それを少し遠くから観察しながら、いよいよここから旅が始まるんだという心構えをしてる自分を撮りたかったのです。
「無造作に渡された切符を片手に握りしめ、ホームで列車を待つこと約1時間。開いたドアの前にはたくさんの人でごった返し、誰もが座席確保に専念する瞬間。それは日本で見る光景と全く変わらない。
アラビア語が飛び交う列車の中。顔つきがまったく違う辺境の地で、私は一人、いよいよ旅がはじまったんだと実感していた。」(旅日記より)
あなたは今、何を見ていますか?
何を感じていますか?
シャッターを切ろうとした、その瞬間の気持ちに向き合ってみてください。
自分が撮ろうとした「何か」がきっと見つかるはず。
さあ、旅先で出会った気持ちを、是非自分なりの視点で表現していきましょう!