思い出づくり研究成果

研究活動構想案 -思い出づくり研究所への貢献内容-大野 高裕

早稲田大学 大野研究室
教授 大野高裕
研究員 飯田恭弘
王 竺
田中健太郎

1. 研究活動趣旨

思い出とは、さまざまな側面から人生を豊かに過ごすために不可欠なものである。思い出づくり研究所では、「思い出」とは何か、人生における役立ちは何かを検討した上で、人が経験したことを思い出として、定着させ、整理し、取り出すツールや方法を開発・普及する。これによって、人がより豊かな人生を送ることができるようサポートすることを、その活動趣旨としたい。

2. 「思い出」の成り立ち

思い出は経験をしなければ生じない。しかしその経験が記憶されなければ思い出とはならない。さらに、経験が事実として記憶されるだけでは不十分であり、その事実に対する主観的な評価がそこに介在することで、良い・悪いなどを付して「思い出」としてまず成立されると考えられる。そして個々の羅列的な記憶の延長線上にある思い出は、一つの物語として整理されることで、一つの系統だった「思い出」として確立される。しかし、単に思い出が蓄積されるだけでは、人生を豊かにするには役立たない。それは適切な機会に取り出されて、自ら振り返ったり、他者に語ったり等、何らかの利用がなされることが必要であり、この時点でようやく思い出は「思い出」として完成し、さらにこの利用によって思い出は濃く脳内に刷り込まれて、確固たる思い出(浸透)になると考えられる。

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