思い出づくり研究所レポート

被災者のための「写真救済プロジェクト」が思い出を守る震災のがれきから思い出を救う

震災に伴う津波が、多くの写真を流し去った

死者、行方不明者数が2万人を超えた東日本大震災。地震と津波が奪っていったものは、多くの人命、財産だけではありません。人々の思い出までを奪っていきました。

2011年3月21日付の毎日新聞は、がれきからアルバムや写真を拾い集め、持ち主に渡すボランティアの姿を伝えています。このことは、東日本大震災が多くのアルバムや写真、つまり思い出を奪ったこと、そして何よりも、被災者が、思い出を取り戻したがっていることを意味します。

それは、 思い出づくり研究所の研究成果にあるように、過去の出来事や記憶がよみがえるきっかけとして、写真がもっとも有効であるためでしょう。失われた物が、写真の中には残っているかもしれません。被災者の思い出を取り戻すことが、今、求められています。

泥だらけの写真の洗浄に挑む富士フイルム

そんな中、富士フイルム株式会社では、「写真救済プロジェクト」が進められています。「写真救済プロジェクト」は、水や泥で汚れた写真やアルバムを救う活動を支援するために、技術的な支援と物的な支援を行うものです。

技術的支援としては、ホームページや書面、被災地でのテレビ・ラジオ等で写真の汚れを落とす方法を紹介、要望があれば被災地を訪問し写真洗浄に携わるボランティアの方々へ洗浄方法をアドバイスをしています。物的支援としては、写真救済活動を行なうボランティア団体などへ、洗浄に必要なツール・消耗品を提供しています。

写真を洗うことで、思い出はよみがえる