思い出づくり研究所レポート

7割の人が家族旅行をしていない 家族の絆の危機家族旅行をしなければ、子どもの写真を撮らなくなる

家族の思い出といえば旅行を思い浮かべる人が多いでしょう。日常を共に過ごしているからこそ、家族で出かけた思い出は印象深いものです。旅行のできごとを語り合ったり、撮った写真を見て懐かしんだりするので、思い出として定着しやすくなります。
また、旅行は子どもの成長にもいい影響を与えます。日本旅行業協会の調べによると、成人するまでに家族旅行を20回以上経験した子どもは、10回未満の子どもより我慢強く、協調性があることがわかりました。
これは、家族旅行がコミュニケーションを増やし、親が他人とやりとりする姿を見て、接し方を学んでいくからです。
また、観光庁の調べによると、子どものころに旅行を経験している人のほうが、大人になってからした旅行の思い出を大切にするという結果も出ています。

このように、旅行は子どもの成長にいい影響があり、したほうがいいものです。
今回は家族旅行について調べてみました。

7割の家庭が家族旅行をしていない

家族旅行をしているか

家族旅行をしているかを聞いたところ、「している」と答えた人はわずか29%にとどまりました。子どもの成長にいい影響があっても実践している人は少ないようです。
これはなぜでしょうか。
もちろん、お金や時間がないからという理由も考えられます。しかし、旅行しようと思うきっかけがないことも原因でしょう。
前回のレポートの調査では写真を飾っている家庭のほうがコミュニケーションを密にとっているという結果がありました。これを見ると、写真はコミュニケーションをとるきっかけだといえます。
また、上記の調査では子どもが大きくなるにつれて家族写真を撮らなくなるという結果が出ました。つまり、子どもを撮る目的で家族の写真を撮っている人が多いことがわかります。
そこで、子どもの写真で多いものは何か調べてみました。

子どもの写真で一番多いのは家族旅行をした時のもの

子どもの写真で多いのはどんなものか

7割の人が「子どもの写真は旅行した時に撮ったものが多い」と答えています。つまり、家族で写真を撮る機会は旅行の時がもっとも多いといえます。
そのため、旅行をしなければ撮る機会が減り、写真も少なくなってしまいます。写真が減ってしまうと、それをきっかけに話をすることもなくなり、結果的にコミュニケーションをとる機会も少なくなります。コミュニケーションをとらなくなると、旅行するきっかけもなくなってしまうので、また写真が減ってしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。